大阪の建築家プロ集団のオープンハウス

建築家プロ集団 イベント報告・オープンハウス

 
< S 邸 >
設計者 L.V.M.計画一級建築士事務所 井上 昌彦
日時 平成19年7月1日  
所在地 京都市南区八条
 
長屋が数多く残る古い街並みを形成している一角にS邸は位置しています。現在東側に駐車場がある以外は隣家が迫っているため光と風の取り込み方を主に考えて設計が行われました。

このプランに行き着くまでは様々な案が提案され施主様共々検討に検討を重ね最終案に辿り着きました。ファサードは炭色に近い木板と白い吹付けとの強いコントラストと異なる素材で表現された表情が印象的です。独特の個性を出しながらも奇抜すぎるわけででもなく周囲から浮いていない雰囲気により、近隣に溶けこんでいます。

内部ですが、1階は個室や収納、2階にリビングキッチンという構成で、リビング上部には大きな吹抜けが配されています。この壁はシナベニアの上押え縁という仕上ですが、縦の押え縁のラインが独特の表情を作り出しています。このシナベニアも上質な品を厳選して施工されましたのでとてもきれいです。南北に大きな開口部があるため密集した周辺状況でも非常に明るい空間を確保している様子がわかります。北側には1階まで落ちる吹抜けが、南側には2階のテラスまで開いている上空への大きな広がりが、S邸に空間の広さと光の息吹を取り込んでいるようです。

密集した約22坪の敷地でも、これだけ快適な環境を得ることが出来る住宅を目にして、とても感動を憶えました。